24時間,しゃべり続けろ。なにが欲しいのか,なにを求めているのか,なにが嬉しいのか,なにが辛いのか,なにを叫びたいのか。
ビーボーカル社は,ドライバーにマップクエスト・ドットコムの地図情報を音声で伝えようとしている。そして,その近くの店舗などを紹介し,手数料を得る。テルミーネットワークス社は,レストラン情報,株価情報などをフリーダイヤルで伝える。検索はウェブを使って行われ,ウェブにアクセスすることでパーソナルプロファイルを作っておくこともできる。このようなボイスポータルは,今非常に増えてきている。
情報を伝達する手段として,一番楽なのはもちろん視覚だが,聴覚,耳による伝達ということもそれほど困難ではない。ネットワークは広帯域幅に向かっているが,動画などよりも音声の伝達の方がたやすい。多くの「声」がネットワーク上を行き交う,という状況は,ハード的な機能(マイクが付いていて,音声ソフトウェアがある,こと)さえ調えばすでに可能だ。
ネットワークは,唖の集まりではない。言葉をしゃべるという一種の「快楽」は,この世界でも変わらない。世界中で行われているチャットの文字の量で世界がつぶれてしまう前に,音声を獲得することが必要だ。パソコンに向かって話しかけるなんて馬鹿馬鹿しいという人もいるかもしれないが,それはネットワークの入り口でしかなく,想像も付かないほど多くの,そして多様な聞き手(人でなく検索システムやセキュリティーシステムかもしれない)が,そこにいるんだから。
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